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御大典の桜

場所 

【最新情報】

 

【解説】(花樹の会 山川敏夫資料より)

 昭和3年(1928)、昭和天皇のご即位の記念の一環として、本山~大雄院まての沿道にソメイヨシノ700本を植栽した。
 これらの事業は日立鉱山が各種団体の賛同により行なわれ。すべてボランティアにより4月26日に植栽が実施された。
 苗木にはそれぞれ番号が付され、植える人と場所が指定されて後日自分の植えたさくらの手入れをしたという。
 すでに、80年が経ち、老木となりあるいは枯死している。
 右の資料は植樹の時の当時の記録である。

【さくらの品種】 オオシマザクラ

 

【補足】 (平成13年発行 日立のさくら -ルーツと歩みー より)

御大典記念植樹
 本山の県道の周囲に咲く桜は、鉱山社宅周辺の植樹より少し遅れて植えられている。それは、日立鉱山本山御大典記念事業記録によって明らかである。昭和3年、昭和天皇の即位を記念する御大典記念事業が日立鉱山で行われた。その事業の1つとして、本山温交会の提唱があり、在郷軍人会、中正校友会、事務所関係、女子同盟、商業組合などの在本山各種団体の賛同があって植樹がなされたのである。
 桜の植樹については、次のように案がまとめられた。

 1、吉野桜植付
    山神社大雄院問、大角矢、石灰山ノ大通りニ吉野桜ヲ植付クルコト
    吉野桜ハ幸ヒシテ大正13年秋庶務係大田原晴好氏ガ地所係ニ交渉、御沢ナル旧住宅地跡
     ニ当時二年生苗約千本ヲ移植培養シアルヲ以テ之ヲ充用ノ予定

という内容である。しかも、この事業はすべて鉱山の会社事業としてではなく、本山住民の勤労奉仕によってなされたことが記録に残っている。
 苗木の掘り起こしは、4月26日364人で行い、さらに植樹のときの添え木1500本を付近の山で育っていた犬島桜の技でつくった。
苗本の植え付けは翌日行い、参加した総人員は1458人であった。
 このとき場所ごとに植えられた本数は次のとおりである。
  山神社 ― 学枚…………… 83本  石灰山 ……… 104本
  学枚 ― 不動滝…………… 69本  熊の沢 ………… 34木
  不動滝 ― 一ノ鳥居……… 45本  大角矢 …………102本
  一ノ鳥居付近…………………  4本  採鉱事務所地…… 35本
  一ノ鳥居 ― 大雄院………174本  選鉱場内………… 50本
                                 合計 700本
 これら苗木には、それぞれ番号がつけられ、植える人と場所が指定されて、そこに整然と植樹し、後日白分の植えたその桜木の成長を見守ったといわれる。
 なお、同時に記念事業の一つとして本山公園の造成も行われ、公園内に100本のソメイヨシノが植えられた。
 その後、終戦後の昭和28年には、木の根坂の社宅付近の美化として緑ケ丘から向陽台まで道路に洽って150本の桜が植えられた。